女王オフィーリアよ、己の死の謎を解け (富士見L文庫) by null


 女王オフィーリアよ、己の死の謎を解け (富士見L文庫)
Title : 女王オフィーリアよ、己の死の謎を解け (富士見L文庫)
Author :
Rating :
ISBN : 4040743237
ISBN-10 : 978-4040743233
Language : 日本語
Format Type : 文庫
Number of Pages : 272ページ
Publication : 2021/11/15

送料: ¥1,570


女王オフィーリアよ、己の死の謎を解け (富士見L文庫) Reviews


  • quasifantasia

    お飾りの女王だったオフィーリアは殺されるとき犯人を知りたいと強く願い、妖精王リアから古の約束に従い10日間生き返ると告げられる。
     オフィーリアの葬儀の場で最低発言をする王配に弟に臣下たち。
     一発目の平手打ちはオフィーリアを見下し続けてきた王配デイヴィットにスパーン。
     我慢を強いられてきたオフィーリアは、残された時間を好きなように生きると決め、その言動が痛快です。
     高貴で上品な女性が口にする罵詈雑言(弟ジョンがカンペ代わり)が臣下に与える破壊力は強烈で、ジョンは頭を抱えます。
     デイヴィットはマゾの気があったようで、オフィーリアにすげなくされるほど喜んで、オフィーリアの後をついてまわります。
     登場人物はみな怪しく見えるのですが謎解きはあっけなく、ミステリ要素は薄目です。
     練習を積んでからデイヴィットを叩けば良かったと後悔するオフィーリアですが、その機会は訪れるのでしょうか?

  • seri

    ヒロインは、のっけから殺されてしまう。が、ある条件下に10日間だけ 生き返る事が出来る様になる。

    ヒロインの望みは、自分を殺した犯人を捕まえる事と、弟を王にふさわしく意識を変えさせる事。

    ヒロインは女王であるが、王配にはバカにされ浮気され、弟には王配のいいなりになっている無能な姉としか思われていなかった。

    家臣たちは可愛らしい清楚な女王だが、何の力も無いと思われていた。

    意識がある 自分の遺体を見ながら「良い時に死んでくれた」と大笑いする王配に腹をたて、起き上がって王配にビンタをくらわす。

    そこから、可愛くて オットを立てながら 女性として政治を補佐していた 清楚な上品な女王を 止める事にする。

    足を引っ張ろうとして 自分を馬鹿にする王配と 死因もろくに調べもしない臣下を切り捨て、逆らうとどうなるか皆に思い知らせ、やりたいことをやりたい時にやる したたかな女王として ふるまいだす。

    毎日、日にちが残り少なくなっていくなか、真犯人を必死で探しながら、弟も教育し、腹が立つが頭の良い王配も使いながら 日にちが経っていくが、そこに事件が起き 王配が真犯人でないのに捕まってしまう。

    真犯人を必死で探す女王。
    意外な展開を見せ、最後は 成る程こういう終わり方をするのか、と思った。

    一応 推理もの系なので、これ以上のネタバレはまずいが、一人だけ「コイツは何らかの意味でクロだろう」と思った人間がいて、ロマンス展開になるのか?と思ったが、そうではなかったので、この作品は ロマンス要素の無い 、完全な ヒストリカルロマンだったのか、と納得。

    切れた時に 自分を嘗めている男たちを ぶん殴り、自分を下に見ていた臣下を 、遠回しに 嫌みで脅かし 言葉も出ない状態に 追い込み 、支配する女王は なかなか格好イイ。

    最後の終わり方は、それは聖霊の力があれば 当然だろ と思い ちょっとスッキリ。

    ただ、王配にはいささか甘い終わり方だったな、と思いました。

  • ヤボ夫

    作者である石田リンネの作品は本作が初読。最近「女性主人公もの」も悪く無いなあと物色していた所、こちらの表紙が目を引いた。男性向けライトノベルなんかでよく見るいかにもお接待係といったヒロインと異なり「睨め上げる」といった感じの鋭い目付きに「おお、こういう感じのお姉ちゃんを探してたのよ」とオッサン臭い事を言いながら拝読。

    物語の方は「妖精王リアの庭」と称される豊かな国・アルケイディア国の王城で女王・オフィーリアが就寝中に首を絞められた上にベランダから投げ落とされて死んでしまう所から始まる。殺される瞬間、体調の異常から視界が霞み、自分を殺した相手の顔を確認できなかったオフィーリアが「犯人を知りたい」と強く願った事から妖精王リアの呪いが発動、オフィーリアは葬式の真っ最中に蘇生する事に。

    「しょせんは小娘」と女王である自分を侮り切っていた相手を自分の夫である護国卿のディヴィットをはじめ、重臣たちが葬儀の最中も自分を舐めた態度を取っていた事を知ったオフィーリアはディヴィットに平手打ちを食らわせた上で「これ以上舐められて堪るか」と奮起。まさに女王様然とした態度で自分を殺した真犯人の捜査を始めるが……

    ご期待通りの部分とご期待にそぐわない所が半々といった感じだな、というのが読み終えての第一印象。冒頭で書いた通りヒロインの不敵さという点ではそれなりに満足がいく内容になっている……が、ミステリとして読むと限りなく微妙という点で星が三つという中途半端な評価になった次第。

    いや、もうね主人公であるオフィーリアが蘇った途端にやるわやるわ……王配、要するに女王陛下の結婚相手でありながらどうしようもない浮気者だったディヴィットにいきなり平手打ちを食らわすので、思わず「いいぞ、姉ちゃん!」とこれまたオヤジ臭い歓声を上げた次第。

    それまで「ディヴィットが惹かれる女性ってこんな感じかしら」と必死で夫の好みに合わせようとしていた主体性ゼロの女王様がいきなり態度を豹変させて夫から悪家老の言いなりみたいになっていた弟、重臣たちまで残らずボッコボコ。お上品な筈の女王様の口から「クソったれ」という凄まじくアレなお言葉が飛び出すので、なんだか別の世界の「女王様」を連想してしまい、読んでいる方としては「もっと罵って!」と変な気分に……

    しかも話が進むにつれて姉の言いなりになった弟に「もっと強烈な罵り言葉は無いの?」と迫り、更なる罵倒芸を展開するのだからそっちのケがある方には大満足できるヒロイン像になっているかと。

    ただ、肝心のミステリとしては限りなく微妙。終盤の「探偵(この場合は主人公のオフィーリア)による種明かし」シーンで駆け足気味に謎を解き明かすのはともかくとして証拠が全て状況証拠ばかりってのはどうなのよ……しかも少しばかりネタバレすれば結果は複数人による犯行なのだけど、一人を除いて犯人の人物像が丸っきり掘り下げられて無いってのはどうにも頂けない。

    一応オフィーリアの殺人に対する動機については触れているけれども、作中で展開されるドラマにはほとんど絡まず記号みたいな描き方しかされていないし……犯人のキャラ造形が杜撰なミステリって単なる「クイズ」に等しいのでは?

    ただこの作品、変な所に見所がある。上で証拠が状況証拠ばかりだと述べさせて頂いたのだけど、作中で起きる王配ディヴィットを陥れる為の陰謀が描かれるのだけど、オフィーリアがいきなり犯人を決めつけちゃうので驚いた。しかも理由が明らかに「キモい男だからこいつが犯人で間違いない」と言わんばかりのハチャメチャぶり。

    もうね、唖然と。このキモ男、確かに男性読者の目から見ても「うわ、キモい」と言わざるを得ないキャラクターなのだが、それでもミステリである以上は何らかの決定的証拠をもって犯人として絞り込まれなきゃいかんと思うんだが……女性にとっては「キモい=有罪」なのだろうか???

    そんなんモテない男の僻みだろ、と思われるかもしれないが浮気者=女性にモテる男であるディヴィットは何だかんだと言いつつ添い寝する事まで許しているのだから「やはりイケメン無罪が真理なのか」とモテない男の一人としては読んでいて泣けてくる。世の女性が「生理的に受け付けないタイプは良い人でも無理」と口にするのは何度となく聞いているけどそこまで容赦ないんかいと……

    目付きの鋭いヒロインを堪能しつつミステリを読むつもりが「女性の本音」という奴を容赦ない形で突き付けられる羽目になり「おおう……」と大いに凹む羽目になった奇妙な一冊であった。

  • サーラ

    妖精王の加護により、殺されたんだけど10日間という期間限定で生き返って、自分を殺した犯人を捜すというストーリー。○日目、△日目という感じで話は進み、1冊で完結しています。
    殺人犯捜しだからミステリーといえばミステリーなんでしょうけども。どうも、登場人物描写があっさりとしていて、種明かし部分も、へーそうなんだ~で終わってしまいます。
    一国の女王を殺害した犯罪ですよ? 犯人として捕まれば身の破滅は間違いないでしょう? なので、用意周到に行動して当然なんだろうに、何故かずさんさがあり、結局犯人がわかる、、、みたいなオチはちょっとどうなのかなと思いました。

  • ニア

    本格というには足りないが、いかにもライトノベルのミステリーという感じで、前身の富士見ミステリー文庫を思い出した。
    また石田リンネさんの描く、男性の評価に厳しい小気味よい主人公で、「おこぼれ姫」シリーズを連想しました。

    殺された女王が復活して、自分の犯人探しをするというもの。
    権力者であるために自分が動かずとも簡単に情報が集まってきて、それをもとに推理というか可能性を潰していくtぴう感じの捜査です。
    解決ほほうが意外に簡単で「そんな真相だったの」みたいな感はありますが、読んでいる途中は事件の真相を悩ませてくれたので、
    ライトミステリーとして十分楽しませてくれた作品でした。

  • Kindleのお客様

    清々しいお話でした。
    ミステリーを解いていく過程でヒロインが、がっつり殴っていくのが気持ちいい。女の子は自分らしく強くて良い、ヒーローに対する態度も清々しい。

    読み終わってスッキリするお話。
    ヒロインをがんがん応援したいお話です。